第112章

たった2日間の短い「出張」だとしても、この件は藤原傑にひと言伝えておくべきだ。

なにしろ――。

クルミは、まだあの家に世話になる。

黙っていなくなるわけにはいかない。

「つまり、1日か2日、外に出るってことか?」

藤原傑は書類から顔を上げた。落ち着いた、冷えた視線がこちらを射抜く。

「行き先は」

わざわざ報告しに来たということは、十中八九、松原グループの調査絡みだろう。

この女は、自分がどれだけ危ない橋を渡ろうとしているのか分かっているのか。

「同僚と視察に行くだけです」

松原南は必死に視線を逸らさず、平静を装って言った。

「クルミが家で心配するかもしれないので、先に伝...

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