第113章

松原南は一瞬きょとんとし、視線を落とした。数秒置いてから顔を上げ、口元だけをふっと緩める。

「わかりました。ありがとうございます」

わざわざあのおじさんがそんなことを言ったのには、きっと理由がある。

――夜になったら、あいつらが出てくるってこと?

眉間にうっすら皺が寄る。表情は、とてもじゃないが明るいとは言えなかった。

たとえ夜が危険でも、見に行くしかない。

この機会を逃したら、次にいつ尻尾を掴めるかわからないのだから。

何があっても、今回は何かしらの情報を持ち帰る。

松原南の瞳に決意の色が走る。おじさんに別れを告げると、来た道を引き返した。

車は、あっちに停めてある。

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