第116章

現場は大混乱だった。誰も彼もが力いっぱい、相手に一撃を叩き込もうとしている。

松原南はずっと眉間の皺をほどけずにいた。刃が灯りを反射してぎらりと光った瞬間、顔色はいっそう険しくなる。

危険があることは、来る前から分かっていた。

だからといって、誰かを巻き込むつもりなんて最初からなかった。

ここにいるのは、彼女を守るために派遣された人間たちだ。何かあれば、真っ先に前へ出るのは彼らだろう。

南は下唇を噛み、胸の奥がずしりと沈む。大きな石を押しつけられているみたいに重い。

入る前、先頭に立っていた男が言った言葉が脳裏によぎった。

油断するな。

藤原傑の手の者が駆けつけるまで、踏ん張...

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