第119章

和田グループに休暇を申請するとき、松原南は「出張」という理由を使った。

まだ、たった一日しか経っていない。

今さら戻るわけにもいかないし、藤原グループに顔を出して仕事を続けることもできない。

この数日は家に籠もって、残っている仕事を片づけるしかなかった。

朝、藤原傑の姿を見たときの松原南は、まだ寝起きだった。パジャマのまま階下へ降り、水を汲もうとしていたところだ。

「藤原さん、今日は会社に行かないんですか?」

ぼんやりした表情のまま、彼女は下唇を噛み、反射的に視線を逸らす。

「この二日って、大事な会議があったはずで……あなた……」

言い終えるより先に、藤原傑のどこか冷えた視線...

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