第122章

クルミを送り届けたあと。

本来、松原南の予定では、翌日にはそのまま和田グループへ戻って仕事に復帰するつもりだった。

けれど……。

「今は、戻るな」

風呂上がりの藤原傑は、着心地のよさそうな部屋着のまま、扉の脇にもたれていた。涼しい顔のまま、視線だけが鋭い。

相談というより、命令に近い。

「どうして?」

松原南は腑に落ちないまま口を開く。

「空ける期間なら、もう十分取ったはずよ。これ以上戻らなかったら、向こうに怪しまれない?」

和田好史は、もともと彼女を疑っている。

このまま帰らずにいれば、得られるはずだった機会も、いくつも失いかねない。

松原南は唇を噛んだ。

この間に...

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