第127章

入院するとはいえ、松原南は素直に言うことを聞くような「いい子」ではない。

藤原傑は忙しい。立ち止まって息をつく暇すら、ほとんどなさそうだった。

「入院の手続きくらい、私ひとりでもできるよ。そんなに忙しいなら、会社に戻っていいから」

傍らの秘書があちこち駆け回り、まるで独楽みたいに働いている。

当の本人である松原南はというと、その場に立ったまま、すべての手続きが終わるのを待ち、終わったらそのまま病室へ――そんな段取りだった。

言い終えてから、彼女はわざとらしくない程度に視線を上げ、そっと藤原傑の顔色をうかがった。

本当は自分だって手伝いたい。

なのに藤原傑は門番みたいにそこに立ち...

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