第130章

クルミには、手術が終わるまで黙っているつもりだった。

けれど、まだたった二日しか経っていない。

松原南が早朝に目を開けると、視界いっぱいに、ふわふわで愛らしい「大きな顔」が飛び込んできた。

「クルミ?」

残っていた眠気が、すっと消える。

南は目を見開き、上体を起こした。「今日は幼稚園は? どうして急に病院に……まさか具合悪いの? どこか痛い?」

心配が先に立って、声が自然と焦ってしまう。

両肩を掴まれて軽く揺すられたクルミは、幼い頬をきゅっと引き締め、真剣な顔をしていた。

「ママ、なんで病院にいるのにクルミに言わないの?」

小さな指が、温井平人の腕をそっと握る。「つらいの?...

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