第133章

嫌な予感は、結局そのとおりになった。

藤原傑の動きが、ふっと止まる。

二秒ほど沈黙してから、彼はスマホをベッドサイドの棚に置き、椅子へ座り直した。

「和田好史が今日の午後、連れて行かれて事情聴取だ。容疑は相場操縦と商業贈賄。町谷勝矢が資料を出した」

――やっぱり。

松原南は息を大きく吸い込んだ。

「税務調査の控え……あれ、彼が見つけたの?」

「そうだ」

藤原傑は彼女を見た。視線は驚くほど静かだ。

「今朝――つまり、お前が手術してる間に、全部まとめて経済犯罪捜査のほうと検察に提出してる」

松原南の呼吸が、わずかに早くなる。

連絡の頻度が不自然に減っていたことを思い出し、胸...

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