第135章

「つまり、それが謝罪の誠意ってわけ?」

男の視線がゆっくりと下り、ほんのり赤い彼女の頬で止まる。

「……ずいぶん独特だな」

松原南の頬が一気に熱を帯び、視線が揺れた。

いま彼女が着ているのは病院支給の患者服だ。さっき濡れタオルを取るだけで、手が震えた。

どこに誠意なんてある。

藤原傑――この男、わざとだろ。

「藤原さん、暇でも自分の唇を舐めないでください」

胸の内は荒れているのに、顔にはゆっくり笑みを咲かせる。

訝しげな視線を受け止め、言葉を区切って告げた。

「でないと、毒で自滅しそうで怖いので」

「余計なお世話だ」

藤原傑は視線を引き、そこに深追いはしなかった。

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