第140章

松原南はその一行を見つめたまま、言葉にできない安堵が胸の奥にすっと差し込むのを感じた。

「ありがとう」と打ち込んで、消した。

結局、返したのは「分かった」だけ。

スマホを置き、パソコンを開いて例の元データを整理し始める。

白原明子が遊びたいっていうなら――最後まで付き合ってやる。

元データと制作過程のラフは、彼女の手元にあるいちばん硬い切り札だ。だが切るなら、いちばん効くタイミングで。先に見せて相手に警戒されるような真似はしない。

その夜八時。白原明子は配信で、松原南の宣戦布告に正式に応じた。

まつげ一本までくるりと整えられた精緻なメイク。豪奢で明るい配信部屋の中央で、彼女はカ...

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