第15章

白原明子が得意げに笑い、口を開こうとした、そのとき。

「なにがそんなに賑やかなの?」

一同が息をのむ。松原南は反射的に、声のしたほうへ視線を向けた。

江村お婆さんが誰かに支えられながら、二階からゆっくり降りてくる。

さっきまで好き放題に威張っていた親戚たちは、今や一言も出てこない。気まずそうに視線を逸らす者、なにもなかった顔でやり過ごす者。

ただ、松原南だけが。

彼女は顔を上げ、あの優しいお婆さんを見つめ、唇を開きかけて――結局、閉じた。

何を言えばいいのか、わからない。

江村家で、南にいちばん優しくしてくれたのは、お婆さんだった。

そのお婆さんの胸を刺す言葉を、自分は口に...

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