第25章

松原南はこの数日、実に心地よく過ごしていた。

社内の陰口は、まるで一晩で潮が引くように目に見えて減った。露骨に不快そうな視線こそ残っているものの、耳障りな言葉はもう聞こえてこない。

松原南は口元をわずかに吊り上げる。仕事中の気分まで、ずいぶん軽くなった。

「南! 聞いた?」

興奮した同僚が勢いよくオフィスに入ってくると、松原南を見て目を丸くした。

「今日、あなたがデザインしたジュエリーが正式に発売されたんだって……!」

ここは毎日顔を合わせる同僚ばかりだ。表向きの体裁だけは皆しっかり整えている。あちこちから口々に褒め言葉が飛び、数日前、給湯室で噂話をしていた見覚えのある顔まで混じ...

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