第47章

「君の手を診てくれる医者を探してやってもいい。その代わり――こちらにも条件がある」

男は壁にもたれ、彼女に問いかけた。

「その手が治るなら、君はどこまでやれる?」

松原南はぱちりと瞬きをし、ふいに言葉を失った。

「クルミのことと、私の譲れない一線以外なら……私に差し出せるものは、何でもお受けします」

言葉を選ぶように口を開き、彼女はさらに付け加える。

「でも、度を越したことはできません。手の治療を諦めることになっても、それだけは無理です」

危うく、変な方向に考えそうになっていた。

だが藤原傑は、外での評判が昔からすこぶるいい。女に関心がないことで、性癖を疑う声まであるほどだ。...

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