第51章

松原南は自分の名を呼ばれ、顔を上げてそちらを見た。

ちょうど、白原明子の挑発的な笑みと目が合う。

「いいですよ」

少し間を置いて、何事もなかったように視線を戻す。

「白原さんが見たいというなら、断る理由はありません。ただ――今回は、ちょっと違いますけど」

手元に置いてあった書類袋を二つ取り出し、前へ並べた。

「こちら、私が描いたデザイン案を二パターン用意しました。どちらがいいか、皆さんに見ていただきたいんです」

松原南の瞳に、いたずらっぽい光が走る。微笑みを崩さないまま言った。

「白原さんもいらっしゃることですし、ぜひ投票に参加してくださいね」

二枚のデザイン画を大きなモニ...

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