第69章

松原南の動きはやたらと素早かった。普段はオフィスに座っているだけのデザイナーだなんて、とてもじゃないが思えない。

江村成宏が追いかけて外へ飛び出したときには、壁の角をかすめて消える、ぼやけた人影が一瞬見えただけだった。

「くそっ……!」

顔をどす黒く沈めたまま、彼は命じる。

「この辺の監視カメラを全部当たれ。さっきの話が外に漏れたら――お前を生き地獄にする方法なら、いくらでもある。分かったか? さっさと行け」

もう一人は自分の落ち度を悟って、肩をすぼめるように頭を下げた。

「す、すぐに……行ってきます」

一方、その頃。

ちょうど園内には見学に来た保護者が何人もいて、松原南がそ...

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