第81章

 二人は息を切らせて病院へ駆け込み、槇村郁に言われた場所を頼りに一つの事務室へ辿り着いた。

 廊下の突き当たり。行き止まりの扉だ。

「やっと来たか。もう少し待たされるかと思った」

 ドアの開く音に、槇村郁は顔を上げてちらりと見ただけだった。松原南が来たことにも驚いた様子はなく、軽口を叩く。

「さっきは、二人の邪魔しちまったかな?」

 含みのある言い方。

 南は唇を結んだが、照れている余裕なんてなかった。

「電話で言ってたDNA検査の件、いったい何が問題なの? ……クルミに関係あるの?」

 表情に硬さが混じる。

 関係がないなら、それが一番いい。自分が傷つくのは構わない。けれ...

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