第89章

「こんな大事なことなのに、どうして先に私に知らせてくれなかったの? 今日、私がたまたま見つけなかったら、いつまで黙っているつもりだったの?」

数人がテーブルを囲み、まるで三者面談――いや、公開裁判のような空気になっていた。

松原南は中央に座らされ、いちばん近い位置にいるお婆さんの視線が痛い。手をどこに置けばいいのかすら分からない。

南だって、知ったのはついさっきだ。なのに、どうして「隠していた」なんて重罪扱いになるのか。

責められるべきは、どう考えても藤原傑と槇村郁だろう。

自分は関係ないはずだ。

……いっそ今ここで、槇村郁みたいに適当な理由をつけて抜け出してしまう?

そんな取...

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