第91章

「……どちらさまですか?」

原田は眉をひそめ、訝しげに口を開いた。

「私たち、面識ないですよね? あなたと私、話すことなんてあるんですか」

視線がふらふらと泳いでいる。後ろめたさが顔に貼りついているみたいだった。

「ええ。あなたと私、確かに話すことはないかもしれない。でも――あなたの原稿は、私のことをよく知ってる」

松原南は容赦しなかった。眉をつり上げ、淡々と突き刺す。

「知らない相手のはずなのに、どうして「まったくの他人」の状態で、私がもうすぐ出す原稿の情報を盗めたの? それとも、私が夢に出て教えたとでも言うの?」

笑わせる。

自分の成果を、他人に勝手に弄ばれるのがいちばん...

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