第52章 プロポーズ

もう誰も手を挙げようとしない中、白井隆史は北野美月に試すように視線を送った。彼女が微かに頷くのを見て、白井隆史は安心して大胆に値を上げることにした。

「16億!」

16億!

白井隆史はなんと一気に2億も上乗せしたのだ!

さすが白井家、懐の深さは違う。

もし白井おじいさんがここにいたら、間違いなく白井隆史の耳をつまんで「この浪費家め!」と叱りつけただろう。だが都合よく白井おじいさんはいない。白井家全体で白井隆史を制御できる人間は誰もいないのだ。

彼の浪費を止められる者はいない。

秘書は黙って目を閉じ、その優れた数学能力で計算していた—自分の給料で、一つの指輪を買うには何百年かかる...

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