第12話 社交死刑

『社交季秘聞』の一面が刷り上がるまで、わずか四時間しかかからなかった。

まだインクの匂いも消えていない紙面の上で、見出しの一文字一文字が今にも悲鳴を上げそうなほど騒々しく躍っている。

「策略毒婦イザベラ――セドリック公爵による公開断罪」

冴月は新聞の端をつまみ、無表情のまま前文を最後まで読み切った。

「関係者の証言によれば、セドリック・フォン・ハルトン公爵は昨日午後、古文書閲覧室にて当該令嬢が触れた書物のすべてを、その場で焼却するよう命じたという。

目撃者は、公爵閣下の視線が彼女の上に留まったのは二秒にも満たず、その後は『まるで靴の裏に汚れでも付いたものを見るような表情で』背を向けた...

ログインして続きを読む