第16話 介抱の代償

城外の宿はすぐに見つかった。

見つけにくかったのは、三号室のほうだ。

冴月は廊下の突き当たりに立ち、塗装の剥げた木の扉を見つめた。

扉板には、白墨で歪んだ「三」の字が書かれている。

【シナリオ任務:アーサー・カヴァナの「酔客の介抱」を補助せよ。】

……なるほど。

自分は「荷物運び」から「臨時の世話係補佐」へと昇格したらしい。

冴月はかじかんだ指先をこすり合わせ、それから扉をノックした。

「入れ」

中に入ると、まず鼻を突いたのは、むっとするような酒の匂いだった。

それに酸っぱい腐臭が混じっていて、冴月は思わず息を止める。

窓際のベッドには、エレナがぐったりと横たわっていた。...

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