第18話 拒絶の理由

ゼミ室の扉は、きちんとは閉まりきっていなかった。

フェリクスが肩で押し開けたのだ。片手はまだ冴月のそばを庇うように添えられていて、その顔には、まるで褒美でももらった従者のような笑みが浮かんでいる。

「セドリック、絶対にふさわしい人材を連れてきたよ」

室内にいた四人が、いっせいに顔を上げた。

長机のいちばん奥、主座に座っていたセドリックの前には、黄ばんだ羊皮紙の地図が広げられている。彼がこちらを見た瞬間、冴月はその目の下に、ごく薄い青黒い影が落ちているのに気づいた。ここ数日、ろくに眠れていない者の顔だった。

フェリクスは一歩進み、冴月を前へと促す。

「イザベラ嬢なら、君も知っている...

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