第23話 瓦礫の挨拶

二時間後、薔薇の迷宮の石のベンチで。

アーサーは学院のゴシップ紙を彼女の膝の上にぱしんと置いた。第一面のスケッチには、まさしく彼女が大勢の前でセドリックに勝負を申し込んだあの瞬間が描かれている。絵師の腕は悪くなく、冴月の顎の線は実物以上に鋭く整えられていて、その下には大きな見出しが躍っていた。

――「優雅なる宣言か、それとも自滅への第一歩か」

「つまり、セドリックを挑発したってわけだ」

向かいに腰を下ろしたアーサーの声は、事実確認にも聞こえるし、問い詰めているようにも聞こえた。

「私はただ、事実を述べただけよ」

冴月は画報を丁寧に折りたたみ、石のベンチの端に置いた。それからスケッチ...

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