第24話 雨の暗道

西側の迷宮の向こうで雷鳴が転がったとき、イザベラは二つ目のツゲの生垣の角に差しかかっていた。

まだ午後四時だというのに、空はまるで墨を流したみたいに暗く、細い抜け道にはもう人影もほとんどない。彼女は歩数を数えながら進み、次第に足を緩めていく。かかとが砂利道をこするたび、かすかな擦過音が湿った空気のなかに消えていった。

もうすぐだ。あと十歩ほど進めば、前方には回廊へ戻るための脇門がある。

背後からは、何の物音もしない。

イザベラは足を止め、つま先を見下ろしてから、そっと息を吸い込んだ。わざわざこの時間を選び、このルートを選び、標本棟の裏口から迷宮へ入り込む折り返しの角度まで計算したのだ...

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