第44話 信じる

レストランのテーブルには、三本の蝋燭が静かに灯っていた。

真っ白なテーブルクロスには、アイロンの跡ひとつない。

ルイーザはフォークをそっと皿の上に置き、ゆっくりと口を開いた。

「イザベラさんって、あまり裕福なご家庭ではないのでしょう? 人を雇うにも前もってお金を貯めないといけないなんて、きっと大変ですわね」

その声音はどこまでも柔らかく、まるで遠縁の気の毒な親戚を案じるようだった。

食卓の空気が、二秒ほど静まり返る。

冴月はローストポテトをひとつつまみ、ゆっくり噛んで、飲み込んだ。

そして何も言わなかった。

頭の中では、ルイーザの言葉をきれいに翻訳していた。

貧乏。

男...

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