第58話 白

律からの返事のメモは、たった二行だった。

「抱き合ってた。心中みたいに」

冴月はその文字をじっと見つめ、それから足元の暖炉を横に軽く蹴った。

聞きたかったのは、あの二人が無事かどうかだ。

なのに返ってきたのは「心中みたいに」の一言である。

二枚目のメモになって、ようやくまともな内容が書かれていた。

「凍えて気を失ってただけ。もう部屋に運んで温めてる。医師も呼んだ。大したことはない。お前は寝ろ」

冴月は二枚の紙を重ね、しばらく廊下の気配に耳を澄ませた。

扉を叩く音がもうしないことを確かめて、ようやく本当の意味で息をつく。

さきほど池に飛び込む前に飲み干したホットワインが、今ごろ...

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