第9話 屋根裏の冬

目が覚めたのは、寒さのせいだった。

秋の夜会の翌朝、聖十字学院の石畳はまだ霜に覆われていた。

屋根裏部屋の窓は隙間風がひどく、ガラスの内側には薄氷が張り、まるで誰かが外から塩を吹き付けたかのようだ。

冴月は布団にくるまったまま、足の指の感覚はほとんどなかった。

部屋の隅に置かれた真鍮の暖炉は沈黙している。昨日の夕方にはまだ残っていたはずの微かな温もりも、今は跡形もなく消え去っていた。

寮の廊下では、すべての部屋のドアの隙間から『社交季秘聞』の号外が差し込まれていた。

インクはまだ乾ききっておらず、紙と紙がべったりとくっついている。

廊下の端から吹き抜ける風が、安っぽい印刷物の匂い...

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