第48章

彼は理由を書かなかったが、私は躊躇なく拒否をタップした。

橘剛が私に連絡してくるなんて、良いことであるはずがない。

母が亡くなった今、彼はきっと喜んでいるに違いない。

私がスマホを置く間もなく、橘剛から再びフレンド申請が届いた。

『親不孝者! さっさと承認しろ! さもなくば痛い目に遭わせてやる!』

彼が何度メッセージを送ってこようと、私の対応は一つだけだ。

拒否。

橘剛はあまりにしつこいので、いっそブロックしてやった。だが次の瞬間、見知らぬ番号から電話がかかってきた。

間違いなく橘剛だ。

私は少し興味が湧いてきた。

以前、私に相沢怜へ席を譲れと言ってきた時でさえ、彼はこれほ...

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