第80章

「触らないで!」

私は目を見開き、驚きと恐怖のあまり、ほとんど無意識に彼の接触を拒んだ。

広い病室に、乾いた平手打ちの音がやけに響き渡る。藤堂彰人も、そして私自身も、その音に驚愕した。

彼の目に痛切な色がよぎったが、それはすぐに陰鬱な表情に取って代わられ、まるで私の錯覚だったかのようだ。

「そんなに俺が怖いか?」

怖い?

その低い声には、わずかな信じられないという響きが押し殺されていた。

私は手のひらを上げる。痛みは一瞬だった。

痛い。加減はしていなかったようだ。

「おかしいですか? 私があなたを怖がるのはいけないこと?」私は拳を握りしめ、再び顔を上げた。

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