第82章

倉科愛美が薬を盛ったと言われても、私には到底信じられなかった。私たちは五年も付き合いがあり、私が傷ついてカフェで落ち込んでいると、彼女はいつも慰めてくれたのだ。

それよりは、相沢怜が私が来る前にすべてを仕組んでいたと信じる方がまだましだった。

しかし、ミルクを私の元へ運んできたのは倉科愛美本人だ。私が来てからというもの、相沢怜は一度も席を立っていない。手を下したのは倉科愛美しかありえない。

そこまで思い至ると、体の芯から這い上がってきた寒気が全身を駆け巡った。藤堂彰人が私を詰問した理由が、ようやく腑に落ちた。

やはり、私に堕胎薬を使用した痕跡があったからなのだろうか?

白石雪乃は新し...

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