第15章
気のせいだろうか。ごくありふれたその言葉の裏に、和也はどこか挑発的な響きを感じ取っていた。
和也は箸で料理を口に運び、淡々と言った。
「これは彼女の事業だからな」
そして、薄く笑みを浮かべて初音へ視線を向ける。
「君はどう思う?」
初音は顔がカッと熱くなるのを感じた。
かつて悠が和也に投資を持ちかけ、すげなく門前払いされたことを、彼女はまだはっきりと覚えている。
それがいまや、悠は成功を収めて帰国し、逆に『藤原の奥様』である自分を助けようとしているなんて……。
言葉にできない羞恥心が胸の奥からじわじわと広がっていく。だが、もうすぐ離婚するのだと思い直し、小さく息を吸って無理に...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第十章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第十四章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
縮小
拡大
