第29章

警官は写真と彼女を交互に見比べた。

「つまり、この雪菜という女が大輝に指示して、君のラボを荒らしたと言いたいのか? それはいくらなんでも無理がある。他に証拠は?」

「ありません」初音は答えた。「でも、彼女たちの銀行口座の送金履歴を調べてください。もしこれが計画的な破壊工作なら、裏で必ず金銭のやり取りがあるはずです」

警官は数秒沈黙し、頷いた。

「その点については、こちらでもきっちり調べさせてもらう」

「それなら、ラボの立ち入り禁止は解いてもらえますか?」

「悪いが、それは当分無理だ」

初音が警察署から出てきたときには、すっかり日が暮れていた。

入り口に立つと、初秋の夜風が吹き...

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