第45章

その言葉があまりにも直截的で、会議室は水を打ったように静まり返った。

男は初音を逃がすつもりなど毛頭なかった。

「西園寺さん、我が社の前任の特別顧問は、たしか伊場教授でしたよね?」

初音は無意識に悟へ視線を向けた。彼もまた険しい顔つきをしており、株主からの突然の追及は完全に想定外だったようだ。

周囲から同調する空気が流れるのを見て、その中年男はすかさず言葉を継いだ。

「伊場教授といえば、生物医薬分野の権威です。発表された論文は百を超え、国家レベルの重要プロジェクトも主導してこられた」

「彼が退任されてから、そのポストはずっと空席でした。それなのに今、西園寺さんは突然、見ず知らずの...

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