第101章 彼はやはり駆けつけてきた

オーロラ・ロス の視点

泉の玉を両手に捧げ、私はゆっくりと回す。

その瞬間、仕込んでいた小さな意匠が、隠しようもなく露わになった。

精巧に作られた小さな池。そこには本来、何もないはずなのに――私の動きに合わせて、水面のきらめきと波紋の艶がふわりと立ち上がる。

会場が、すっと静まった。

聞こえるのは、私の声だけ。澄んで、滑らかに、遠くまで届いていく。

自分のデザインを見つめ、目の奥に笑みが走る。

用意してきた原稿は、いまや役に立たない。

残っているのは、胸の内から湧き上がる言葉だけだった。

「色の宮」に入れるかどうかなんて、もうどうでもいい。

審査員に好かれるかどうかも、ど...

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