第112章 奇妙な車両

オーロラ・ロス視点

突然現れた部長が、集まっていた私たちの背後に立った。鋭い威圧感を纏った視線が一同をなぞり、片手をひらりと振って人だかりを散らす。

「何を囲んでる。仕事はないのか」

「散れ!」

続けて、名指しが飛ぶ。

「シャーリー! 君の席はこのフロアじゃないだろ。ここで何してる。戻れ!」

シャーリーはまだ納得がいかない顔だった。けれど、普段は穏やかな部長が今は完全に表情を落としている。――これは、下手に逆らうと面倒なやつだ。

警告するような視線を受け、シャーリーは「ふん」と鼻を鳴らして踵を返した。去り際、わざとらしく私を睨みつけていく。

私は目を細め、その背中を追った。

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