第121章 協定は無効となる

オーロラ・ロスの視点

張りつめていた神経がふっと緩んだら、きっと深く眠れる――そう思っていた。

けれど実際は、邸宅へ戻る車中ずっと、浅い眠りを行ったり来たりしていた。

夢の中で私は、パンドラの迷宮に閉じ込められていた。ひょろ長い影が何体もいて、顔は霞んで見えない。そいつらが私を捕まえようと伸びてくる。

私は必死に逃げた。暗い通路を駆け、曲がり角をいくつも抜ける。なのに、次の角には必ず影がいる。こちらを見ている。待ち伏せみたいに、当たり前の顔で。

周囲は真っ黒で、出口なんて最初から存在しないみたいだった。

やがて脚が動かなくなった瞬間、地面の下から何本もの手が伸びてきて、私の足首を...

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