第149章 誘ってるんじゃないのか

オーロラ・ロス視点

「その女を捕まえろ!」

「くそアマ、まだ逃げる気か?!」

先頭の男が怒鳴った瞬間、ただでさえ怯えきっていた心臓が、さらに激しく暴れ出した。

私は反射的にエレベーターへ飛び込み、閉まるボタンを狂ったように連打する。

――そうだ、ルームカード。

私の部屋、何号室だった?

どこかに隠れなきゃ。

カードを握る手が小刻みに震える。そこに印字された「819」の数字を見た瞬間、私はとっさに8階を押しかけて――すぐに指を止めた。

だめ。

そんなことをしたら、連中に階を特定される。

私は慌てて指先の向きを変え、6階のボタンを押した。

次の瞬間。

バンッ、バンッ――...

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