第158章 きれいな男

オーロラ・ロス視点

「アレックス、遊びに出るなら、どうして私も誘ってくれないの?」

朝――。

部屋のドアを開けた途端、クレアのやわらかな声がはっきり耳に届いた。

819号室の前で、淡い白のワンピースをまとったクレアがアレックスの服の裾をつまみ、拗ねたように小さく文句を言っている。けれど、その目元には隠しきれない恋情が滲んでいた。

私に気づくと、アレックスがちらりと視線を寄越した。

端正な顔には何の感情も浮かんでいない。まるで見知らぬ他人でも見るみたいに、淡々と一瞥しただけで、すぐに視線を戻した。

彼はクレアの手を外し、低く言う。

「今回は仕事だ」

「そっか」

クレアはまだ...

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