第23章 自分に最後の少しの尊厳を残す

オーロラ・ロスの視点

シリロとマーデンは、私の言葉を端から信じていない顔だった。二人は視線を交わし、どうでもよさそうに笑う。

「おお、それは残念だな。だが夕飯はまだ終わってないぜ」

「君の彼氏なら、呼んで一緒に食べたらいい」

マーデンも同意するように頷いた。琥珀色の瞳が私に絡みつく。まるで獲物を見る目。

――最後まで絡むつもり?

胸の奥が、すとんと冷えた。

「シリロさん。ひとつ勘違いしていらっしゃいます」

私は言葉を選ぶのをやめる。氷みたいな声で、淡々と突き刺した。

「私は確かに、あなたの案件に興味はあります。でも私より高い条件を出せる会社が、あなたに見つかりますか?」

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