第29章 デザイン部の試合

アレックス・フィリップス視点

オーロラが会社に来て最初にしたことは、受付にいじめられたと俺に文句を言うことだった。

きれいな眉をきゅっと寄せて、途切れない訴え。挙げ句の果てに「事前に言っておいてくれればよかったのに」と、俺にまで責任を押しつける。

俺は小さく笑った。

最近、こいつはまた図太くなった。

――でなきゃ、俺に不満なんてぶつけてこない。

もちろん、俺は誰かに彼女をいじめさせる気なんてない。

ただ、悔しそうに唇を尖らせる姿を見ていると、なぜだか悪くないと思ってしまった。

たぶん本人は気づいていない。

彼女の言い方が、あまりにも自然だったからだ。

昔。彼女が誰かに嫌な...

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