第49章 挑発する二人

オーロラ・ロスの視点

アレックスが去ったあと、私はそのまま邸宅を出た。

この屋敷はとにかく広い。どこを切り取っても、金持ちだけが許される贅沢が滲み出ている。

道端の装飾用の花や植え込みですら、私の命より高そうだった。

手入れの行き届いた小道を歩いていくと、ほどなくして庭園が見えてきた。

夜風が吹くたび、花がさらさらと揺れて、甘く柔らかな香りが漂う。

さっきまでの会場の息苦しさが、少しだけ薄れていく。

私は大きく息を吸い、中央に置かれた蔓薔薇のブランコに腰を下ろした。

背を預け、見上げる。ようやく手に入れた、わずかな静けさ。

「お前がアレックスが連れてきた、あのクソビッチか?...

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