第50章 俺のために

アレックス・フィリップ視点

駆けつけた時、護衛として付けていたボディガードが少し離れた場所で、呆然と前方を見つめていた。

俺は低く舌打ちする。

「突っ立って見てるだけか。守れと言ったはずだろう。死にたいのか?」

先頭の男が、俺の姿を認めるや深く頭を下げた。

「ボス。命令に背くわけには……」

「ですが、ボスは仰いました。ロス嬢ご自身で対処できる案件なら、我々は極力手を出すなと」

男たちが左右に退き、視界が開ける。

――そこにいたのは、三人が揉み合う光景。

いや、違う。

オーロラが、一方的に二人のクズを叩きのめしていた。

邪魔なハイヒールを脱いで凶器に変え、片手にはスタンガ...

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