第53章 ずっと私を好きにならないほうがいい

オーロラ・ロス視点

訊いているのは私のはずなのに、結局、問いを投げ返されたのは私だった。

――彼に、私を好きでいてほしいのか?

愛人扱いされ、何度も辱められ、家族を盾に脅されて……。

それでも「好きでいてほしい」なんて願うなら、私は本当に最低だ。

目の前の男を見据えた瞬間、腹の底に溜めていた怒りと悪意が、とうとう押し切った。

嘲るように息を吐く。

「望んでない」

小さく頷き、言い切る。

「アレックス。あなたは、私を好きにならないで」

「あなたの愛なんて……吐き気しかない」

彼の拳がぎゅっと握り締められ、眼差しの奥の火が、さらに濃くなる。

「答えがあるなら、何で聞いた」...

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