第57章 私こそが主導者

オーロラ・ロス視点

アレックスが「一緒に入れ」と言っているのは、態度で分かる。私が乗り気じゃないことも、彼には伝わっているはずだ。

――そして今夜の彼は、機嫌が悪い。

これまで何度も痛い目を見て、学んだ。

こんな時に逆らうのは、愚かだ。

私は黙って服を脱ぎ、浴槽へ足を入れた。湯加減はちょうどよく、熱が肌を包み込む。

本来なら、身体がほどけるはずの時間。

なのに目の前の碧い瞳が、欲望でじわじわ濃くなっていくのを見て、背筋が固まった。

ゆっくり、彼へ近づく。

彼は苛立つと、情事で吐き出す。

それが、私には重すぎる。

案の定、彼は眉を不機嫌そうに寄せたかと思うと、長い腕で私を...

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