第64章 クレアの代わりに私を懲らしめている

オーロラ・ロス視点

私がルイと話しているあいだ、アレックスの指先が肘掛けをとん、とん、と軽く叩いていた。

――あれは、彼の我慢が切れかけている合図。

私は慌てて口をつぐみ、静かに背筋を伸ばした。空気が重い。肌の内側にまで圧が入り込んでくるみたいで、息がしづらい。

ルイの誘いを受けて、このオークションに来たのは完全に間違いだった。

どれだけ鈍くても分かる。ルイとアレックスの間には、明らかに刺々しいものがある。

会った回数なんて多くないはずなのに、もう互いを嫌っている。

そして、その二人に挟まれた私が――一番ひどい目に遭う。

いまなら、まだ逃げられる。

私は隣のバッグに手を伸ば...

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