第72章 囚われる

オーロラ・ロス の視点

室内はしんと静まり返った。私は一瞬だけ呆けたあと、すぐさま扉へ駆け寄ってドアノブを捻る。

――動かない。

噛み合ってしまったみたいに、押し下げることすらできず、当然開く気配もない。

「誰かいますか!」

「警備員さん? 外にいますよね!」

拳で扉を叩き、声を張り上げた。

だだっ広い部屋に自分の声だけが反響して、外へ抜けた途端、海に沈むみたいに消えていく。返事はない。

眉間がきゅっと寄った。

そうだ、スマホ――!

慌てて取り出し、画面を点けた瞬間。

表示されたのは、無慈悲な「圏外」。

その時になってようやく、胸の奥がざわりと騒ぎ出す。

「警備員さ...

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