第77章 体の感覚

オーロラ・ロスの視点

広い部屋にいるのは、私とアレックスだけ。

なのに、目の前の男のせいで空気が息苦しいほど狭く感じる。

背中は冷たい壁に押しつけられ、逃げ道なんてどこにもない。

私は彼の胸に手を当て、これ以上近づかせまいとした。

「……色の宮の、上級絵師よ」

隠さなかった。

どうせ私が言わなくても、アレックスなら調べて突き止める。

「どうやって知り合った」

「……海外にいた頃、ある年配の方と知り合ったの。その人の孫が、彼」

言い終えて、慌てて付け足す。

「会ったのは一度だけ。仕事のやり取りしかしてない」

「一度会っただけで、そんな馴れ馴れしく呼ぶのか。しかも玉石まで...

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