第83章 私は何者だ?

オーロラ・ロス視点

ゲルタ・フォックスは氷みたいな目で私を見据え、淡々と条件を突きつけてきた。

「うちのお嬢様が、メンズの指輪をご所望です。寒色系で、薔薇の意匠を入れてください。ただし薔薇が目立ちすぎてレディースっぽくなるのは不可。かといって彫りが浅すぎて素朴に見えるのも不可です」

「できれば……控えめで、それでいて贅沢に」

私は相槌を打ちながら、タブレットに要点を書き留めた。

要求自体は、そこまで難しくない。話を聞いている間に、頭の中ではもう形が組み上がり始めていた。

男物の指輪といえば、まず思い浮かぶのはシルバーだ。透かしの意匠は映えるけれど、品格という点ではもう一段足りない...

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