第90章 彼に手錠をかける

アウローラ・ロス視点

彼は手錠を軽く引いてみせ、ベッドに縛りつけられた私の姿を鑑賞するみたいに眺めた。満足げに口角が上がる。

さっきまでの抵抗で、鼻先にまとわりつく血の匂いがさらに濃くなった。彼の香水ですら、もう覆い隠せない。

――狂ってる。

こんな怪我をしてるのに、まだこんなことを……!

私は一度息を整え、もう暴れるのをやめた。代わりに、できるだけ落ち着いた声で言う。

「アレックス、落ち着いて。薬、塗らせて」

明日の朝、私の上で死体になってたら洒落にならない。

けれど目の前の男は、昔から傲慢で、欲しいものは手段を選ばず手に入れる。

服が乱暴に引き裂かれ、胸が露わになる。掌...

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