第5章

 臭いが、まず鼻を突いた。

 二人が遺体袋を見つめているのがわかった。顔からゆっくりと血の気が引いていく。

「開けろ」大輝が言った。声はもう震えはじめている。

 闇の中から、私の顔が現れる。肌はすでに変色しはじめていた。

 瑛太がよろめいて後ずさりし、片手で口元を押さえる。

「嘘だ。嘘だろ、ありえない……」

「芝居だ」大輝が言い張った。だが声には、もう欠片ほどの確信も残っていない。

「メイクのやつでも雇ったんだろ。それか……」

 嘲るような笑みが、私の唇に浮かぶ。

「ボス」部下の一人が低い声で言った。

「遺体はもう硬直してます。医学的に言えば、ここまでになるには最低でも―...

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